涼を呼び込む、夏の器

■見上げる空に真っ白な入道雲が湧き上がり、本格的な夏の到来を告げようとしています。じりじりと照りつける太陽の下から帰宅したとき、お家の中に求めるのは、ほっとするような「涼しさ」ではないでしょうか。
エアコンの風で部屋を涼しくするのも大切ですが、五感で涼しさを感じる工夫もまた、日本の夏を心地よく過ごす知恵です。その主役となるのが、毎日目にする「食卓の器」。
器の素材や色を夏仕様に衣替えするだけで、いつものメニューが目にも鮮やかで、ひんやりとしたごちそうに生まれ変わります。
少し「余白」を意識して盛り付けてみてください。器の地の色(白や青)が見える面積を広く残すことで、すっきりと涼しげな印象になります。また、使う前に器を冷蔵庫で少し冷やしておくひと手間も、夏ならではの粋なおもてなしです。器が変われば、夏の時間がもっと愛おしくなる夏の定番メニューである「そうめん」も、パックのまま出すのと、お気に入りのガラスボウルに氷と一緒に仕立てるのとでは、受け取る豊かさがまったく異なります。
ガラスの器に触れたときのひんやりとした感触、麦茶を注いだグラスに水滴がつく様子、風鈴の音を聞きながら囲む夕食。そうした小さな瞬間に「夏の手触り」を感じることで、暑い季節もどこか愛おしいものに思えてくるはずです。
見た目にも涼しいお気に入りの器とともに、この夏を健やかに、そして素敵に乗り切ってくださいね。


